Bluebell Factory

ノートパソコンの修理するとき、いつもACアダプタが問題になります。 なぜかジャンクで購入するノートパソコンにはACアダプターが付属していないことが多いんです。 手持ちのものが使えればいいですが、電圧やプラグ形状が違っていて別途ACアダプタを購入しなくてはならないことが多々あります。 修理できるかわからないパソコンのためにそんなコストを払うのも迷うところです。…ということで、私は以前よりこのアダプタを使っていました。

Novax Technologies, Inc.（本社：台湾）製のマルチACアダプタで、約5年程前に購入したものです。 ノートパソコン付属ACアダプタと大きさ＆重量もあまり変わらないのに、以下のとおり出力電圧が変更でき、 さらに先端コネクターも14種類変更可能、充電用USBを2ポート(1A,2A)が実装されているという優れモノです。

電源ケーブルをつなげても液晶ディスプレイが真っ暗のまま。まったく反応なし。
ヒューズが切れただけならいいが…。とりあえず状況確認。

こりゃ、ヒューズじゃないなぁ～。

通常の電源アダプターは安全のため素人が中身をいじれない様に、かなり丈夫にパッケージされており、このマルチACマルチアダプタも のこぎりでも用意しないとダメかと覚悟していました。
ところがケースの繋ぎ目を眺めてみたところ、USBコネクタ周辺に少し隙間をみつけたので、 そこからツメを外していったら、以外に簡単にケースを開くことができました。

まずは、ヒューズを3つ見つけたので全て確認しましたが、やはり断線はしていませんでした。
その他、液漏れや膨れ上がったコンデンサー、焦げたデバイスや抵抗など見つけらず、外観からは故障個所がわかりそうもありません。
ただ、部品の実装はかなり粗そうですね。USBコネクタシャーシのグランドピンは、2ポートとも半田からはずれてました。動作には影響なさそうですが。

ただ眺めていてもわかりそうもないので、一番、症状が重いUSB 2Aポートの周辺を中心にテスターと目視で回路を解析してみました。 調べてみると、このUSB 2Aポートはパソコンに供給するDC出力から"U5 TPS54331"というDCDCコンバータで5V 2AのDC電源を作り 出しているようです。回路解析の時に気づいたのですが、この5V出力とグランドがショートしています。 表示されなくなったコンパネもここから電力が供給されているみたいなので、このショートが故障の原因だろうと想定して調べていきます。

解析した回路から見ると、ショートする原因となりうる部品は以下の5つ。上から順番に基板から外して確認していきました。

4番目の部品 D7 1N5819のショットキーダイオードを外した時点で、故障原因のショートが解消しました。 このダイオードをテスターで調べてみると逆電圧での絶縁が不良になっており、1オーム程度の抵抗で短絡していました。

…ということで、外した他の部品をもとに戻し、上記ダイオードの新品を購入し取り付けてみたら、結構、あっけなく、正常に動きました。 修理完了！！